【本】また、同じ夢を見ていた(住野よる)
『また、同じ夢を見ていた』(住野よる)
この作家さんのデビュー作『君の膵臓をたべたい』(キミスイ、と略すようですね)は、実のところ私にはあまりピンと来ませんでした。いわゆる「難病もの」だっただけに、医学生として「突っ込みどころ」を色々見つけてしまい(失礼、)十分に作品に入り込めなかった覚えがあります。
(とは言っても本屋大賞にノミネートされるなど大きな話題を呼びました。読んでみて損はないかと思います)
そんな作家さんの2作目である本作。内容は以下の通りです。(Amazonより)
デビュー作にして25万部を超えるベストセラーとなった「君の膵臓(すいぞう)をたべたい」の著者が贈る、待望の最新作。
友達のいない少女、リストカットを繰り返す女子高生、アバズレと罵られる女、一人静かに余生を送る老婆。
彼女たちの“幸せ"は、どこにあるのか。「やり直したい」ことがある、“今"がうまくいかない全ての人たちに送る物語。
以下、感想。
・1作目と作風ががらりと変わっています!これには驚きました。作者の住野よるさんのインタビューを雑誌で読んだことがありますが、物語の筋の組み立て方など研究を重ねてこられたそうです。華々しいデビューの陰に努力あり、ということですね。
・中盤で結末の予想はあらかた付いてしまいましたが、小学生の女の子の視点から書かれた文章が、独特の味を醸し出していて引き込まれました。「自分のことを一番かしこいと思っていて、周りを見下している女の子(大意)」が主人公なのですが、小学生のころの私自身にも少し似ているように感じられ、かなり感情移入できました。
・少し乙一さんの作風に似ている気がします。
住野さんの3作目はいったいどんな話となるのでしょうか。また新刊が出たらぜひ読んでみようと思います。
2016.5.23追記
医大生ブロガーのたきいさんが、ブログで紹介してくださっていました。
http://blog.goo.ne.jp/takiitakii/e/1903bd9231da3b726ab8ec84cc5a0d77
*トリおんな*