【本】満願(米澤穂信)
『満願』(米澤穂信)
山本周五郎賞など数々の賞を受賞した本作。ミステリーの短編集なのですが、どの短編も最後のどんでん返しが効いていて、一気読みしてしまいました。
内容です。（Amazonより）
人を殺め、静かに刑期を終えた妻の本当の動機とは―。驚愕の結末で唸らせる表題作はじめ、交番勤務の警官や在外ビジネスマン、美しき中学生姉妹、フリーライターなどが遭遇する6つの奇妙な事件。入念に磨き上げられた流麗な文章と精緻なロジックで魅せる、ミステリ短篇集の新たな傑作誕生。
個人的には、1番目に収録されていた、警官を主人公とする短編が一番面白かったです。結末の展開の巧さには、思わず唸りました……。
プロの作家さんに引き較べるのは大変厚かましいことながら、私も何度か短編小説を書いて賞に応募した経験があります。（ちなみに今のところ、箸にも棒にもかかっていません。笑)そのため身に染みて分かるのですが、上手に物語のオチを付けるのは、綿密な計算を必要とする相当難しい作業です。しかし本書では6編ともクオリティが高く、オチのひと捻りがぴりっと効いています。これは凄いと思いました。
短編集なので、通学中の電車の供にするにもちょうど良かったです。この作者さんの、他の作品も読んでみたくなりました。
