私の「青春の一冊」 図書館戦争
今回は「青春の一冊」について。
大好きな『図書館戦争シリーズ』。
シリーズ一作目『図書館戦争』との出会いは、中学校の図書室でした。
私が中学生の頃、周りにうまく馴染めず悩んでいた時期がありました。
友人がいなかったわけではないのですが、心を許せるのはごく少数。そんな数少ない友達が部活の練習や委員会で出かけてしまい、昼休みを一緒に過ごせないときは、とても心が沈んだものです。他の仲良しグループに、「私も入れて♪」と入っていけるほど人間関係に器用ではなかったので、そんな日はひとり図書室で時間を潰すのが常でした。
ある日ふと、「新しく入った本」コーナーに展示してあった一冊のタイトルに、目が吸い寄せられました。『図書館戦争』。「図書館」と「戦争」?おおよそ似つかわしくない単語の取り合わせが妙に気になって、取りあえず読んでみることに。
本を開くと、そこに広がっていたのは私が今まで見たことがない世界でした。
「検閲」が合法化されたパラレルワールドの日本で、表現の自由を守るために武器をとった「図書隊」。その隊員たちの人間模様が、猪突猛進型の新人女子隊員・「郁」の視点から描かれています。
読者の首根っこをつかまえて有無を言わさず作品世界へ放り込むような、そんなパワーのある物語に引きつけられ、チャイムの音で我に返るとちょうど昼休みが終わるところでした。大急ぎで本を借りる手続きを済ませて、大切に家に持ち帰り、その日のうちに読み終えたのを覚えています。
この出会いは、私にとって良い意味で衝撃的な出来事でした。
主人公・郁は、裏表がなく朗らかで根っからの体育会系。彼女の熱血な性格は、些細なことにも気を遣い「すぎる」私とはかなり違っていて、それだけにその一挙一投足がとても新鮮に感じられたものです。
「こういう考え方もあるんだ」
「そうだそうだ!郁、よくぞ言った!」
特殊な世界設定ながら、郁たち「図書隊員」の人間模様は、平和な現代日本を生きる私たちと何ら変わりない等身大のもの。読みながら、私は彼女たちと一緒に戦い、恋の予感にときめき、時には悲しみ、悩みました。郁たちのコミカルなやり取りに思わず吹き出してしまい、慌てて咳をしてごまかしたこともありました(笑)
そして何より、苦しい出来事があったとき、本のなかの郁の一生懸命さからどれだけ勇気をもらったことか。
私が『図書館戦争』シリーズとの出会いを果たしてから、もう8年が経ちます。
中学生だった私も、今や22歳。郁が図書隊に入隊したのとちょうど同じ年齢です。
出会った当時はお姉さんに思えた郁ですが、最近読み返してみると、まるで親友のように感じられるのですから不思議なものです。
今、私の部屋の本棚には、図書室で借りるだけでは足りずに購入したシリーズ全巻がそろっています。
大好きな本たちです。ずっと手放さず大事にしたいと思っています。
*トリおんな*
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