医学用語はカッコいい?
この間、同期とこんな話題になりました。
「低学年の頃、医学用語をサラッと使う先輩を見ていると、ものすごくカッコよくなかった?」
……私と同じ医学生の皆さまや医師の先生方はご存じの通り、医学部に入学してもすぐに臨床を学び始めるわけではありません。
低学年の頃は教養課程、生化学や生理学、組織学や病理学etc……とにかく座学漬けなので、じつは「医学部で勉強している」という実感はそれほど得られないものです。(少なくとも私はそうでした。)
OSCEと言って、「病院実習に参加して大丈夫ですよー」といういわば「仮免」をもらうための実技試験を4年生時に受けるまでは、あまり実際の医療現場を意識せずに過ごしてきました。
ですから例えばOSCEでは
「収縮期血圧が120ミリメートル水銀柱、拡張期血圧が64ミリメートル水銀柱です!」
なんて気張って初々しく言っていたところを、実習で実際の病院に出ると
「はい、上が120、下が64ですね〜」
とサラッと言っているのも、何だかクールに聞こたもの。
手術のことを「オペ」と略すのだって、実習の最初のうちは「何だかドラマみたい!」と興奮したものです。
白血球のことを「ワイセ」と言うのもちょっとカッコいい。
(※ただし、ドイツ語の「白=Weissen」から来ているこの用語、本来の発音は「ワイセ」ではないようですが)
他に私のお気に入りの「カッコいい医学用語」としては……
「レティキュラ」←「網赤血球」
「ヘモファゴ」←「血球貪食症候群」
「コンペリ」←「収縮性心膜炎」
なんてところ。なぜか、語感が好きなんです。
「AAA」←「腹部大動脈瘤」
「BBB」←「血液脳関門」「(心臓の)脚ブロック」
「CCC」←「(白内障手術の)前囊切開」
「DDD」←「(心臓ペースメーカーのモードの一つ)」
「SSS」←「洞不全症候群」/「上矢状静脈洞」
などの、「トリプルXシリーズ(と、勝手に呼んでいます。笑)」も大好き。
でもきっと
「こんなカッコいい医学用語を使えちゃうワタシ、ちょっとクールでしょ(°▽°)」
なんて気持ちがどこかにあるうちは、まだまだなのでしょうね。
……用語のカッコよさを意識せずに使えた時こそ、本当の意味でカッコよくなることができるのだと思います。
*トリおんな*
☆第112回医師国家試験まであと94日☆
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実習中、同級生のデキる系男子が
「俺、今からオペ済ませてくるから!(キリッ)」
と、格好良くキメて立ち去ったところ、別の同級生に
「おめえは手術の『見学』だろっ」
と突っ込まれていました。ちょっと笑っちゃった。