トリおんな(24)の医学生日記

2018年3月、某国立大学医学部を卒業しました。/KOKUTAI ONLINEで連載(2017.8-12)

ハリーコール小噺

「ハリーコール」というものをご存じでしょうか。病院内で患者が急変して心肺停止状態となった際などに、院内の医療スタッフに召集をかける放送のことです。

たとえばうちの大学病院では、緊急事態に際して
「ハリー先生、ハリー先生。南棟◯階ナースステーションまで」
というようなアナウンスが流れます。これを聞くやいなや、動ける状態の医療スタッフが全員駆けつけて、早く着いた者が処置を施すことになっています。

このハリーコールでは病院内の全スタッフが集められるので、着くのが遅くなると、処置そのものには加わらず人垣の後ろから見守るしかない場合が多いそうです。小児科の先生から伺った話なのですが、成人男性の患者さんが急変してハリーコールが流れた際、
小児科医「……(この患者さんは)大人だもんね」
産科医「……(この患者さんは)男だもんね」
と互いに顔を見合わせて、他の専門の先生に委ねたことがあるのだとか。


「患者さんが子どもとか赤ちゃんとかだったら、挿管でも何でもちゃっちゃと出来るんだけどね。成人の患者さんには慣れてないのよ」
とのこと。何だか、先生の人間味を感じます(笑)

さて、私自身はまだこのハリーコールの要請に応えて駆けつけた経験はありません。丸一日病院のなかにいるのでハリーコールを耳にする機会は結構あるのですが、実習中で他の課題を与えられているときが多いですし、何より学生が行っても邪魔になるだけではないかという気もして、一歩を踏み出せずにいます。
しかし、いつかは行ってみたいものです!

*トリおんな*


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