トリおんな(24)の医学生日記

2018年3月、某国立大学医学部を卒業しました。/KOKUTAI ONLINEで連載(2017.8-12)

「私、『そういう系』じゃないので」

実習中、ある先生が雑談のなかで教えてくださった話が衝撃的だったので紹介します。(先生は、私立の大学病院に勤務されている別の先生からお聞きになったそうです)


同じ医学部でも、国立大と私立大とでは環境がかなり違うよう。学費の高い私立大医学部の学生には、裕福な開業医の子女が多いそうです。学生と直に接する立場(=学生係)の先生方は大抵30代半ばくらいなので、「学生の親」が、医師としては学生係の先生の「大先輩」に相当するケースがよくあるのだとか。

それだけに、
「どうも、うちの娘/息子がお世話になっているそうで」
と、「学生の親」が「学生係の先生」に食事を奢るなんてことも、私立大では日常茶飯事だということです。

面白いのはここから。
ある女子学生の親にご馳走になったお礼にと、学生係の先生が糸結びや止血などの手技を教えようとしたところ、
「あ、私そういう系じゃないので」
と学生本人にあっさり断られたのだそうです。開業医の娘であるこの女子学生にとって、大学は「学びの場」というよりも「婿探しの場」であり、「医師としてガッツリとキャリアを積もうとは思っておらず、仕事は腰掛けで充分なため、手技の習得は必要ない」という考えだったようです。

もちろん、これが全ての私立大医学部に当てはまるとは思っていませんし、又聞きなので尾ひれが付いている可能性もあります。しかし、もし仮にこのような学生が実在するのだとしたら、同じ医学生の身としてはかなりびっくりぽんだなぁと思った次第でした。


余談ですが、その後私が見学に入ったオペで、糸結びや縫合に挑戦してみたいか尋ねられ
「やりたいです!私、『そういう系』なので」
と答えたら、結構ウケました(笑)

*トリおんな*


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