トリおんな(24)の医学生日記

2018年3月、某国立大学医学部を卒業しました。/KOKUTAI ONLINEで連載(2017.8-12)

【映画】ズートピア

GW映画鑑賞ラッシュ第4弾は、『ズートピア』でした。

ネットで「意外とテーマが深い」「子供向けと見せかけて実はおとな向け」との情報を仕入れ、さらにYahoo!映画のレビューが星4.4と高評価なのを見て、観に行くことに。

 

内容はこちら。(Yahoo!映画より)

あらゆる動物が住む高度な文明社会を舞台にした、ディズニーによるアニメーション。大きさの違いや、肉食・草食にかかわらず、動物たちが共に暮らすズートピアで、ウサギの新米警官とキツネの詐欺師が隠された衝撃的な事件に迫る。

 

以下、感想。未見の方はネタバレにご注意くださいー!

 

・「意外と深い」という評判の通り、可愛らしい動物たちの世界の奥には強いメッセージ性が。多種多様な動物たちが暮らすこの「ズートピア」はすなわち、人種のるつぼである「アメリカ」の象徴でした。

 

・主人公・ジュディ(新米警官のウサギ)は、生まれ持った体格や体力といった点において、バッファローやサイのようなタフで体の大きな動物たちには敵いません。へこたれないジュディはその壁をたゆみない努力と知恵で乗り越えていくわけで、それが映画の見どころの一つです。しかし、表向きは「誰でも、何にでもなれる」を高らかに謳うズートピアなのに、実際には個々のスタートラインが違っている。この矛盾が刺さります。

 

ズートピアにおける動物たちの力関係は、映画前半では「草食動物<肉食動物」だったのが、ジュディの関わったとある事件をきっかけに、後半で「肉食動物<草食動物」へと変化。このとき、黒幕(映画ラストで明かされます)の扇動を受けた草食動物たちは、こぞって肉食動物たちを排斥しようとします。この「自分たち以外を排斥する」という行動は、何だかいま話題のトランプ氏みたいだなぁと。この映画、本国アメリカの観客にはどのように受け止められたのか、とても気になるところです。

 

・本作は紛れもなく現代アメリカに対する批判を込めた作品でありながらも、その批判を洒脱なユーモアに包んで描いています。可愛らしい動物の世界で繰り広げられる大冒険、その合間合間にちらちらと現実世界の暗い面が見え隠れするのですが、そのメッセージは決して押し付けがましいものではありません。つまり、メッセージを深刻に受け止める観客がいる一方で、(観客がそう望むのならば)単純に素晴らしい映像体験だけを楽しむことも可能だということです。

 

これと対照的な作品として、最近読んだ『カエルの楽園』(百田尚樹)という本を挙げたいと思います。動物世界の描写のなかに現実社会への批判を込めたという点では本作『ズートピア』と似通っているのですが(『カエル〜』で批判されているのは現代日本の護憲派)、読み終えたときどこか違和感が残りました。それはおそらく、'小説'(=フィクション)を期待し手に取ったにも関わらず、実際読んでみるとあまりに作者の主義主張を前面に押し出した内容だったためだろうと思います。まるで道徳の教科書を読んでいるようだった、とは私の母の言。

……私の政治的な意見はここでは述べません(述べるだけの見識がありません)が、やはり'フィクション'として世に出すからには、読む側・観る側に解釈の自由があっても良いのではないかと思います。その点、『ズートピア』に込められたメッセージの解釈はあくまで観る者に委ねられており、フィクションとして『カエル〜』よりも上質な作品になっているように感じました。

 

 

 

・最後に一つ、「深くない」感想を。……ウサギのジュディが、たまらなく可愛かったです!!

①落ち込むと耳が垂れるところ②耳を垂らして帽子をかぶっているところ(まるで耳が髪の毛みたい)③イヤホンをしているところ(耳がピンと立っているのでイヤホンが頭の上に!)④キツネと仲直りする場面で頭をコチンとキツネの胸に当てるところ

にきゅん。とても癒されました。もしこんなウサギさんが近くにいたら、友達になってみたい!

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*トリおんな*


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GW中の映画鑑賞記録。(映画館の上得意客になれそうです。笑)

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