【本】倒れるときは前のめり(有川浩)
『倒れるときは前のめり』(有川浩)
有川浩さんは、『図書館戦争』シリーズで出会って以来、私にとって大好きな作家さんの一人です。
エネルギーのある物語展開に、息遣いまで感じ取れるような、生き生きと「キャラ立ち」した登場人物たち。どの作品を読んでもハズレがありません。
そんな有川さんの初エッセイ集である『倒れるときは前のめり』を読みました。
書名から想像できるように、内容はかなり「有川色」の強い、「攻めた」ものです。
超人気作家ゆえにアンチの人から叩かれることも多く、きっとその分苦労もあるだろうと思うのですが、他の作家さんなら敢えて触れないであろうそういった内容もエッセイのなかに記されています。マイナスの出来事もきっちりと題材として活かし、ご自身の主張を述べるチャンスを作ってしまう、そこがまた、有川さんらしいところ。さすが、『図書館戦争』の喧嘩上手な剛腕隊長・玄田の生みの親です。
そして、ご自身の阪神淡路大震災での体験を踏まえ、災害時の危機管理についても持論を展開していらっしゃいます。時期が時期だけに、こちらにもなるほどと思わされます。
また、ちょうど少し前に読んでいた『夜中の薔薇』(向田邦子)についての記述があり、巡り合わせを感じました。
やはり何と言っても本業はエッセイストではなく作家さんなので、有川作品未読の方がこの本から入ることはあまりお勧めしませんが、有川作品のファンならば読んで絶対に損はないと思います!
*トリおんな*