トリおんな(24)の医学生日記

2018年3月、某国立大学医学部を卒業しました。/KOKUTAI ONLINEで連載(2017.8-12)

アンラッキーとラッキーの境目

どうもツイてない…そんな一日ってありますよね。

その日は朝から、何かボタンを掛け違えたような小さなアンラッキーが続いていました。

 

通勤ラッシュの時間帯、列に並んで電車を待っていると突如として現れたワリコミマン。ただでさえ混み合った電車内、ワリコミマンが一人分のスペースを掻っ攫っていったおかげで、先に並んでた私は乗りそびれそうになりました。ひどいなぁ。

 

ワリコミマンの一件で心にモヤモヤを抱いたまま実習の集合場所(その日はとある研究室でした)に向かうと……始まりました、ツイてない一日・第二ラウンド。担当の先生がいらっしゃらないのです。

 

待てども…

待てども待てども…


いらっしゃらないのです。

 

同じ部屋にいらした大学院生の方々は身内どうしのお喋りに興じ、放ったらかしにされた私たち学生(完全にアウェイ)は、ただただポカーンとするばかり。


すると代理の先生がやって来て、
「担当の先生は今日風邪で遅れるそうだから、夕方に再集合でよろしくお願いします」
と仰るのです。
えぇ〜〜っ?満員電車でもみくちゃにされながら1時間かけて通学してきた私の苦労、全部パーなの?(涙)

 

「明日以降の予定はどうなるんですか?」
「今週仕上げる課題について先に教えていただけませんか?」
と尋ねても、代理の先生ゆえ明確な回答は得られません。

 

どうしようもないので、夕方まで大学の図書館で勉強しながら時間を潰すことにしましたが、1時間後、
「風邪が治らないからやっぱり夕方の集合は無しです」
との連絡がありました。パトラッシュ、ぼくはもう疲れたよ。

 


しかし。悪いことが続いたように感じていましたが、ちょっと見方を変えてみれば、
・朝の電車で割り込まれた
→割り込まれたけれど、結局乗れたので実害はなかった。
・先生がいらっしゃらなかった
→図書館で勉強する時間を確保できた。
・夕方の再集合がなくなった
→早く自由になれた。
と、とてもツイていた一日でもあることに気づいたのです。

 

そういう見方、物事のポジティブな面に光を当てる考え方を身につければ、自分のイライラを表に出さない・周りにぶつけないような人に近づけるのでしょうね。

まだまだ修行が足りないなぁ。


いつも心に余裕があって、人に優しい…そういう人に、私はなりたい。

*トリおんな*

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コンタクトの悲劇

医師国家試験真っ只中ですね。
6年生の先輩方が、普段どおりの力を存分に発揮されますようお祈りしています。
 
ところで。少し前のことですが、実習で眼科をローテしました。
「わが身で検査を体験してみよう!」という主旨で、私たち学生は一人ずつ散瞳薬を点眼され、眼底検査を受けることに。(暗い部屋で眩しい明かりを見つめながら、先生から「上見てくださーい、はい、今度は下でーす」と言われる、アレです)

はワンデーのソフトコンタクト派です。
先生「コンタクト外してもらうけど大丈夫?保存液に浸けとく?」
私「いえ、予備持ってるので大丈夫です!(ドヤ顔)」

しかーし。悪夢は検査後にやってきたのです。
私「あれー⁈コンタクトの予備、ポーチに入ってなかったぁ」

とんだドジを踏んでしまいました。ちょっと確認すればこんな事態は防げたはずなのですが……。
もちろん、ここぞとばかりに実習班仲間に笑われてしまいましたとさ。とほほ。

さすがにその後一日中ずっと裸眼で過ごすのはハードすぎたので、もしメーカーの試供品など余っていれば分けていただけないかと思い、ダメ元で先生に尋ねてみました。

先生「あちゃ〜。視力検査用のメガネならすぐ貸せるんだけどね〜」

視力検査用のメガネって、こんなの。

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もう、先生ったらお茶目。
ハリーポッターシリーズに登場するルーナが、確か映画でこんなメガネを掛けていましたよね。
 
でもそう言いながらも結局、あとで度が近いものを探してきてくださいました。ありがたや〜。
 
もう少し注意深くなろうと心に誓った私でありました。
 
*トリおんな*

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【映画】ドクター・ストレンジ

映画『ドクター・ストレンジ

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アメコミ映画が好きなのと、ドラマ『SHERLOCK』でファンになったベネ様(ベネディクト・カンバーバッチ)が主役だということで、観に行ってきました。

 

主人公はすご腕脳外科医。技術は一流だが不遜な態度ゆえにムダに敵を増やしてしまう……そんな損な(←ダジャレじゃないよ)性格の主人公ですが、不慮の事故に遭い、外科医にとっては致命的な手の障害を負います。失意の彼は、手を治す方法を探し求めてチベットの奥地にたどり着き、そこでなんと魔術を会得し(ここまでは結構リアルだったのにいきなりぶっ飛んだ設定。さすがアメコミです)、世界平和のために戦うことに。

難しいことは何も考えずワー!キャー!と楽しみながら観られる、アメコミ映画の醍醐味がギュッと詰まった作品でした。魔術で地面やビルがねじ曲がるシーンはエッシャーのだまし絵の中に放り込まれたかのよう。最新の映像技術、すごいです。

そして何と言っても医者・兼・スーパーヒーローというのが新しい。手術室のBGMなど、「医者あるある」が随所に出てきたのは、ひそかに嬉しかったです。(時々手術室でマスクを外しちゃっていたのはご愛嬌か、それともアメリカの外科医はあんな感じなのか……笑)

 

あー面白かった!と、さっぱりした気持ちで映画館を後にしました。医学生の皆さま、試験期間のストレス解消にオススメですよ~

 

*トリおんな*

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ドクター・ストレンジアベンジャーズ次回作にも出演決定だそう。わくわく。

 

torionna.hatenablog.com

 

舞台『デルフィニア戦記』

東京に行ったと書きましたが↓、

torionna.hatenablog.com

もう一つの旅の目的はこちら。

舞台『デルフィニア戦記

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一度も映像化されたことのない大好きな原作小説が、映像化をすっ飛ばしていきなり舞台化されると聞きつけ、東京まで観劇に馳せ参じました。

 

中学生の頃に出会ったこのシリーズは、とにかく面白いんです!もともとファンタジー小説をよく読むほうで、洋物だと『ハリーポッター』、和物中華物だと『精霊の守り人』『十二国記』などが好みなのですが、この『デルフィニア戦記』はシリアスさとコミカルさが絶妙なバランスで同居しているのが他と違う魅力。
'異世界から少女が落ちてきた'というトンデモ設定でありながら(笑)、中世ヨーロッパを彷彿とさせるような、緻密に描かれた国々の勢力図は真に迫っています。そして立ちすぎているキャラも大きな魅力。なにしろ一国の王様が天然ボケなんです、これが面白くならないはずがない。珍妙な会話劇に、電車の中で何度笑いを噛み殺したことか……。

 

俳優さん達は初めて拝見する方々ばかりでしたが、とてもよく原作を表現なさっていたと思います。大迫力の殺陣に、無敵の最強少女リィが、ちょっとトボけた(でも締めるところはきっちり締める)王様ウォルが、本当にそこに存在しているかのような気分に。

 

劇場には原作者・茅田先生のお花も。

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原作ではこのシーンはこうだったのに(騎士団の謎ダンスはカッコいいっちゃカッコいいんだけど、なんか笑えた←失礼)とか、倒れた敵役が舞台暗転の後袖に引き上げて行くのが見えちゃったとか、このシーンは入れて欲しかった(シャーミアンが国王軍に合流するシーンは見たかった)、とか、細かいところを言い始めるとキリがありませんが、あれだけ長い原作を2時間の尺に纏めたのですからそこは致し方ない。原作のエッセンスはしっかり詰まっていたように思います。

 

今回「第1章」ということなので(原作では18巻中1〜4巻に相当)続編もできたら、また観に行っちゃうかもしれません。

*トリおんな*

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原作本がこちら。全18巻の超大作ですが、騙されたと思ってまずは1〜4巻だけでもぜひぜひぜひ!!(寝不足になること請け合いですよ)

たきい君とのオフ会レポ

東京へ行く機会があったので、たきい君とお食事してきました。5年間毎日ブログ更新継続中の、言わずと知れた医大生トップブロガーです。

 

たきい君のブログをこれまで2年くらい愛読していたので、待ち合わせ場所に姿を見つけたときには「おー!ナマのたきいさんだ!」と感激もひとしお。今まで「さん」呼び&敬語だったのですが、同学年なので「君」呼び&タメ語に改めさせてもらい、ますます親近感アップしました。ブログがなければきっと直接お話しする機会はなかったはずなので、やっぱりインターネットって偉大です。

 

弾丸旅行だった関係で、時間帯や場所について少々無理を言ってしまったのですが、美味しいしゃぶしゃぶのお店を探してきてくれました。曰く、「だいぶ調べたから、この辺のお店にはかなり詳しくなったよ!」と。本当にありがとうございました。たきい君ってば、ジェントルマン。

 

あんなことやこんなことをお話ししているうちに、楽しい時間はあっという間に過ぎ……。文章が上手な人は話も上手なのでしょうか。「医学生あるある」に始まり、果ては将棋やワイン、競馬に至るまで、あの引き出しの多さ、真似したい。

 

そして、将棋が大の得意のたきい君から頂いたのが、こちらの将棋チョコ。

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将棋に疎い私でも耳にしたことのある、売り切れ続出の話題商品です。ありがとうございました。全部食べきるころには、私も将棋に目覚めていたりして(笑)
(今まで知らなかったのですが、将棋って次の手を考えるのに制限時間があるそうなんです!制限時間を使い切った後は、わずか数十秒で次の手を決めなければいけないため、息つく間もなく激しい攻防が繰り広げられるのだとか。棋士の方ってずっと沈思黙考してるイメージだったので、かなり意外でした)

 

たきい君も早速ブログで書いてくれていました。仕事早い~!

blog.goo.ne.jp

(昨日の夜、本ブログへのアクセスが急に増えていたのは、たぶん↑の記事が公開されたから。たきい君効果、さすがです)

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またいつか、お話しできる機会が楽しみです。


*トリおんな*

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大人になりましょう

6年生の先輩方は国試まで残すところあと2週間。私たち後輩にとっては、寄せ書きの色紙づくりの時期です。

 

昨今、手書きの文字を見る機会がめっきり少なくなりました。(ほとんどの病院でカルテも電子化されていますものね)
しかし、いくら時代が進んだとは言え、やはり色紙のメッセージは'古き良き'手書きが恒例。そのため、この時期は
「へー、この人、大雑把に見えるのに字が綺麗なんだ」
と新たな一面を発見、なんて出来事もあるもの。

 

さて、この色紙づくりについて、同級生の「'美'意識高い系」イケメンが、こんなことを言っていました。(彼はアボカドサラダを食べるのが日課!本人曰く、ローラさんと同じ食生活なのだとか)

 

「いやー、このあいだ後輩から寄せ書き頼まれたんだけどさ、『〇〇さん、意外と字汚いっすね』だって」

 

あー、なるほど。それは確かにイラっとするかもね。

 

「いや、まじでイラついて『お前は顔が汚ねえだろーが(笑)』って言いたくなったわ〜。まあ言わなかったけどね」

 

いや、それは私、言わなくて正解だったと思う。5年生だもの、大人になろうよ(笑)

 

毒舌が冴え渡ります。聞いてるぶんには面白い。
*トリおんな*


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トリおんな、救急車に乗る〜後編〜

昨日の続きです。

 

救急車実習中、同乗した消防学生さん(同い年)と仲良くなりました。消防職員として採用された後一年間は、'消防学生'という扱いとなり、座学や実習でみっちり仕込まれるのだとか。

 

これまで知らなかったのですが、警防(いわゆる火消しの消防士さん)と救急と、もとは同じ消防職員なのですね。辞令が下って分かれるそうです。


そんな消防学生の彼、ちょっとした空き時間ができるたび、上官の職員さんから呼ばれて口頭試問で鍛えられていました。隣で聞いていたところ、


「救急の'ABC'を言ってみろ」
「Aは……うーん、エアライン!」
JALかーい!」


という、ちょっと漫才みたいなやり取りが。うーん、惜しい!
(ちなみに正解は、A=airway/ 気道、B=breathing/ 呼吸、C=circulation/ 循環)

 

そんなこんなで、楽しく実習を終えることができました。普段はどうしても医学部の中の人間関係が主なので、何だかとても新鮮な体験でした。

 

*トリおんな*


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